それは少女の願い。
大切な人を守りたい。
友達を守りたい。
そして、
この世界も…。
【それいけ☆アリサちゃん SS】
第2回 「名前をあげるんだからっ!!」
その後森をでたらすずかが待っていた。
「先に出てると思ったのに…なにかあったの?」
心配そうにこちらを見るすずか。
「別に大丈夫よ。ちょっとネコを追いかけて道をそれちゃっただけよ
」
もちろん大嘘。でも、これ以上すずかを心配させるわけにもいかない
しね。
「そっか、じゃあ帰ろう!私もうお腹すいちゃったー」
「そうね。私もぺこぺこだわー」
なんていいながら私たちはそれぞれの家に帰っていくのでした。
「はーつかれたわー」
なんて言ってベッドに飛び込む。今日は色々あったからね。
しかし…、
「なんなんだろう…」
宝石…、ダイヤモンドハートを見てつぶやく。
なのはのレイジングハートに似てる…かな。
ん?なんかこれさっきより光ってない?
そう思ったときすごい発光!!
「きゃっ!なに!?」
すごい光が室内を包む。私は光を防ぐように手で顔を覆う。
薄く開けた眼に見えるのは小さな人影。
それが見えたと思ったらさらに光が増す……っ!!
瞳にまぶしさを感じなくなったのでゆっくり眼を開けるとそこには小さな女の子がいた。
…どのくらい小さいかっていうと全長30センチくらい。
「おはらっきー☆あ、じゃない間違えた。こんばんわ、マイマスター」
って言ってぺこっとお辞儀する少女(?)。
髪は長く黒いリボンで二つに結んでいる、いわゆるツインテールってやつだ。
「えと…」
「どうしたのですかマスター?」
状況がつかめない。
もしかして、
「あんた、あの宝石からでてきたの?」
「はい、そうですよ!」
にぱー☆って答える女の子。
魔法とかそういうのはなのは達から話しを聞いてたけど…自分の身に
ファンタジーなことが起こるのはいまいち実感がわかない。
「で、あんた名前は?」
「私には名前なんてありません」
女の子は寂しそうにそう言った。
「強いて言うなら”ダイヤモンドハートの精”といった感じです」
その顔は寂しそうな笑顔を浮かべてなんというか…つらそうだった。
なんか可哀想だな…。
「……リーフ…」
「え?」
「あんたの名前よ。なんとかの精なんて長ったらしい名前呼びにくい
ったらありゃしない。だから”リーフ”」
ちょっとそっぽを向いてそう言う。顔がちょっと赤いのが自分でもわ
かった。
ちなにみ名前の由来はあの森でみた葉っぱ。
なぜか印象に残ってるから、ね。
「あ、ありがとうございますマイマスター!!!」
うわぁ、すごい嬉しそう…。眼、うるうるさせちゃって…この子結構可愛いわね。
「マスターマスター!!!」
「ん?なによ?」
「これ食べていいですか??」
リーフが指さすそれはさっきちょっと摘んでいた袋菓子のパンケーキ
だ。
夕飯が待てずに少し食べちゃったんだよね…おかげで今日の夕飯はつ
らかった。
「べつにいいわよ、私の残り物でよかったらね」
「わぁーーーーい☆」
自分の顔の何倍もある菓子パンにかぶりつくリーフ。
なんとなく微笑ましい。
しかし、この子にはたくさん聞きたいことがあったのだ。
「ねぇ、リーフ?」
「はい?」
食べる手を休めてこちらを向くリーフ。
「ああ、食べながらでいいわ。あなたのこと色々ききたいんだけど…
そもそもあなたってなんなの?いや、ていうかあのおじさんはいった
い…」
「…わかりました」
私が考えてる間にリーフは食べ終わってこっちを向いていた。
…真剣な表情で。
「全て話します。マスターは高町なのはから”PT事件”のことは聞
きましたか?」
「PT事件…フェイトの本当のお母さんがアルハザードに行くために
起こしたアレね…」
詳しくは無印なのは参照。
「そうです。その中でプレシアがどんな手を使ってでも欲した”ジュエルシード”…時空管理局はそれを全て集め封印した…コレがPT事件の結末です。……ところでマスター?数字っていくつからはじまるかご存じですか?」
「え?」
急に話しを振られたため頭がこんがらがる。
「そうね、1からじゃないかしら?0はなにもないから始まってない
し…」
「正解です。ですが、もしマスターが10メートルあるかなければ行けないとしましょう…スタートはどこですか?」
「そりゃあ0メートル地点からだけど…あ」
「そうです。こう考えると1ではなく0がスタートなのです」
ざわっ…。
脳裏になんとも言い表せない不安がよぎる。
「つまり…マスター。ジュエルシードは1がスタートじゃないんです…ジュエルシードNo.0…”ダークシード”…それが私がいる理由です」
ぽかーんと口をあける私。なに?つまりは、
「PT事件はまだ終わっていないってこと…?」
「正確には違います。PT事件はこれからおこってしまうかもしれない事件の始まりでしかなかったということです」
その時だった。
窓の外で何かが爆発したように煙が上がり漆黒の空に火が上がったのは。
「もしかして!?」
「マスター…ダークシードです!!すぐに行きましょう!!」
続く
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